ポジショニングマップってなに?

競合他社のひしめき合う激戦区(レッドオーシャン)で競争し1位を獲得したいならポジショニングマップを勉強する必要はありませんが、ニッチで王道で確実に1等賞を獲得できる市場、いわゆるブルーオーシャンです。確実に勝てるポジションを獲得する事ができればビジネス展開しやすくなります。が!全く認知されていない市場、マーケットが成立しない市場の場合、認知そのものに広告宣伝費が掛かってしまう場合があるので注意も必要です。

ポジショニングマップを作る前に!

ポジショニングとは、販売する、商品・サービスにおいて、競合他社と比較し、どの分野で差別化、訴求したらよいのかを明確にするために行います。ポジションを設定する上で気を付けたいポイントは常に顧客目線で行う事です。客観的な情報を元に縦軸×横軸からなるポジショニングマップを作成し市場を勝ち取れるフィールドを探してゆきます。

ポジショニングマップの概要

ポジショニングマップは、縦軸×横軸というシンプルな要素から構成されます。

<イメージ図>
ポジショニングマップの概要説明図

3C分析

ポジショニングマップの肝である「縦軸」と「横軸」を決める為に「3C分析」を事前に行います。

1)自社の分析Company」

自社の現在の状況を洗い出します。会社の規模、資本金、認知度、人財などの経営資源。地域、日本、世界など営業規模などを元にし、強みや弱みを洗い出していきます。販売する商品や提供するサービスには直接関係ないと思う人もいるかと思いますが、現在の自社の通信簿をつけておく事によって、どの程度の規模間でプロモーション展開してゆく必要があるのか?を把握する事が出来ます。自社の現時点のポジションを把握した上で、差別化できるポイント(強み)をピックアップしてみてください。

2)顧客の分析Customer」

取り扱う商品・サービスの市場全体の状況を踏まえ、購買する顧客はどんな人なのか?を徹底的に想像します。これをペルソナ設定と言うのですが、より具体的にイメージして決めておく事をおススメします。商品・サービスを利用する人は本人なのか?それとも親、兄弟、恋人、知人、会社の同僚など様々です。プレゼント商品、子供向け商品などは本人以外が多い傾向がありますね。購買決定要因(KBF)を抽出しておく事が重要です。簡単にいうと買ってくれる人をそれぞれのシチュエーションであらかじめ設定しておく事だと思って下さい。

3)競合の分析Competitor」

ペルソナ設定したターゲットを軸にしながら競合他社の購買決定要因(KBF)も抽出していきます。ここで出たKBFを比較評価していくことで、競合他社の商品やサービスと差別化できる部分を見つけやすくなります。競合他社が取り扱う商品・サービスにも必ず強みのポイントがあるはずです。他社の強み、独自性を知っているかいないかで結果が大きく変わってしまう場合があるので注意してください。

ポジショニングマップの軸を決める方法

さて、あれこれ準備し、実際にポジショニングマップの軸をどれにしたら良いのか?分からない方も結構いらっしゃいます。やり方は人それぞれですが、僕が推奨する軸の決め方のポイントは次のようになります。なお、マップは1つだけでなく複数あった方がより正確なデータが取得できます。

1)価格と品質
イメージしやすいのは日常的に買うような生活用品、消耗品などがベストですが、こちらは絶対に外してはならない王道軸なので必ず取り入れて下さい。低価格と高価格、低品質と高品質。

2)スペック(中身)
注意すべき点は、ネットの普及により顧客はスペックに関してはある程度の知識を持ち合わせている事。そのうえで商品力のスペックで勝てる要素があるのであれば自社商品をより知ってもらうことで「強み」を発見してもらう事ができますね。

3)消費者心理(感情)
感情に訴えかけることができるもの例えば「高級感」や「演出」「プライベート感」「限定感」「優越感」などがキーワードとなります。消費者心理(感情)がメリットになれば価格競走を避ける事ができるのでおススメ!

ポジショニングマップの軸を選定する際のポイント

ポジショニングマップの軸は企業側の都合ではなく顧客が商品・サービスを選ぶ上で比較する軸に設定し作りましょう!僕が今までサポートした企業のほとんどがコンサルティングを開始する前は「自社都合」だらけのポジショニングマップを作ろうとしてしまいがちです。購買決定要因(KBF)を抽出する際に顧客目線が基本です。 僕も含め、どうしても売る側は顧客目線を忘れてしまいがちなのです。企業側の立場をまずは捨てましょう! 例えばこの商品は絶対にお洒落なデザインにすれば売れる!と思っていたとしても、顧客のKBFは単純に「安さ」だったりするのです。

顧客のペルソナ設定が違う場合も注意

同じように見えても実は軸が違う場合があります。「PC」を例に例えると初心者はスペックよりもメーカーやデザインで選ぶ傾向がありますが、僕のような仕事で鬼のように使用するヘビーユーザーの場合「スペック・性能」で決めます。デザインも多少は重視しますけど、なによりもスペックは重要です。

ポジショニングマップを作成する上で最も難しいのは、確実な正解は無いという点です。あくまでも想像、イメージが大きく影響してくるのです。いろんな人の意見を取り入れながらポジショニングマップを作成する必要があるのですね!

 

おまけ:ポジショニングマップの例(ネットでたくさん見つかります)