はじめに

はじめに

ビジネスの世界では、横文字や略語、専門用語が当たり前のように飛び交います。最初のうちは、「何それ?」「どこで覚えればいいの?」と戸惑うことも多いかもしれません。僕自身、広告業界に飛び込んだばかりのころ、会議で耳にする言葉の半分くらいが、まるで謎の呪文のように聞こえていたことを今でもよく覚えています。

だからこそこの本では、「知ったかぶりせず、ちゃんと理解できる」ことを大切に、できるだけ平易な言葉で用語を解説しています。さらにもうひとつの特長は、「実際にどんな場面で使われているのか」という使用例を必ず添えていること。
机上の知識で終わらせず、リアルな仕事の現場ですぐに使えるように工夫しています。

ここで、僕自身のことを少しだけ紹介させてください。

大学を中退した僕は、家業である大工職人の仕事に就き、その後、念願だったショップ経営も経験しました――が、これが地獄の始まり。思うようにいかず、借金返済に追われる日々が続きました。「このままじゃ終われない」と一念発起し、リフォーム営業で培った営業力を武器に、30歳のとき、まったくの未経験だった広告業界へと飛び込みました。

それからコピーライターやCMプランナーとして経験を積み、35歳の時に会社を立ち上げ、経営者として多くのプロジェクトに関わるようになりました。現在は、企業や個人に向けたブランディングや企画支援を行いながら、2014年に設立したNPO法人を通じて、教育・まちづくり・地域メディアの分野でも活動を続けています。

決して順風満帆ではなかった人生を歩んできたからこそ、「わからないことに出会ったときの不安」や、「何をどう学べばいいかわからないモヤモヤ感」は、僕自身の原体験でもあります。だからこそこの本は、単なる用語集ではなく、「現場で使えること」「すぐに活かせる言葉」を意識してまとめました。

この本が、ビジネスの第一歩を踏み出す皆さんの“ことばの地図帳”になればと願っています。
わからなかった言葉がひとつ「わかる」ようになるだけで、仕事への自信も、コミュニケーションの力も、ぐっと高まります。

それでは、さっそく始めましょう。
僕と一緒に、ビジネスの世界の“ことば”を味方にして、未来への一歩を踏み出していきましょう!

2025年 吉日
吉田英樹