第1章:経営・ビジネス・働き方のやらない決断(3)

(3)借金しない(融資は受けない)

僕は銀行との付き合いは一切しないと心に決めています。銀行とは、「雨が降ったら傘を取り上げる」と言われるように、必要な時に支えてくれるわけではありません。そのため、銀行と関わることには何のメリットも見出せません。むしろ、百害あって一利なしで、僕にとってはタバコと同じくらい避けるべきものです。お金は借りるものではなく、自分で作り出し、そして働いてもらうものだと僕は考えています。

大切なのは、たとえ手元にお金がなくても事業を成立させる方法を自ら考え出し、お金がないなりに活かせる手段を見つけることです。資金の不足を言い訳にせず、現状でできる工夫を凝らすことで、本当に求められるビジネスモデルが見えてきます。

たとえば、従来の「仕入れてから売る」というスタイルにとらわれず、逆に「欲しい」というニーズを引き出してから仕入れることで、無駄な在庫やコストを削減することができます。これは、インターネット(ホームページなど)を活用することで実現可能で、具体的にはクラウドファンディング型の商材や、先に代金をもらってから仕入れる方式を取ることが考えられます。お客様のニーズを先に把握することで、在庫リスクを抑えつつ、事業を展開することができます。

また、需要と供給を仲介するマッチングサービスを手数料型のビジネスとして展開するのも一つの方法です。サービス提供者と顧客をつなぎ、成約ごとに手数料を得るビジネスモデルは、在庫や仕入れコストを必要としないため、少ない資金で事業を始められます。さらに、安心感を提供するサブスクリプション型のビジネスも有効です。たとえば、定額でのメンテナンスやサポートを提供することで、顧客に安心を与えつつ、安定した収益を得ることが可能です。

これからの時代は、「できない」を「できる」に変える発想力が事業成功のカギになると僕は強く感じています。資金の不足はむしろ発想を広げるチャンスであり、限られたリソースの中でいかに創意工夫できるかが問われています。お金を借りずに自分の手で事業を築き上げることで、長期的に安定し、かつ堅実な経営が実現できるのです。