吉田英樹の営業塾

第3回 オフィシャルサイトの整備とGoogleマイビジネスの活用

開催日2021年12月24日(火)14:00~

前回の課題と分析結果発表

ケーナチーム

前回は、NPO法人あおりんごとコラボしケーナの作成イベントを行うと決め、企画内容をプレスリリースで流し、無料のサイトに掲載もした。HPの分析の方は、今回は目立った直しをしていないので、先月とほとんど変わりなし。閲覧数もほぼ横ばいの、1743PV(新規:411、既存:162)。安定して推移していると言える。今後イベントを行なう上でイベントのリンクや登録フォームなどを作った際に動きが出てくると予想している。

NPO法人あおりんごと連携する案は、以前あおりんごで行なった段ボールランドでRenさんが協力してくれたこともあり、そこから「何か作るのもよいのではないか」という発想にいたった。プレスリリースの感想としては、無料のテンプレートを使用していたので縛りはあったが、あくまで無料のものとして捉え活用。コツとしては、宣伝ではないので広告になってしまうのはNG。マスコミが「へぇ、こんなことをやるんだ、ちょっと行ってみるか」と思ってもらえるような文面(企画)を考えるのがポイント。あおりんごとのコラボで子供たちのための企画というのは、非常にプレスリリース向きでもあるので、マスコミに興味を持ってもらいやすい。


チームにこにこ

前回出た問題点として、まずHPでの集客を考えた際に、現状では仕様上、解析も難しかったため、ワードプレスに作り変え、HPメインで集客が計れるようオフィシャルHPを改善。その上で、サテライトで専門的なタレント図鑑を、ワンちゃんとその他の動物に分けて構築。香川さん自身も監修の仕事をしているので、サテライトで香川さんのオフィシャルサイトも作るという4つのサイトを作ることを決定。

目標は、オフィシャルが20,000PV。すでに現在、制作に取り掛かっていてほぼ完成の段階。12月からは検索もできるようにしており、12月10日から集計をした結果、初日から100PVを超える数値となった。約2週間の現時点で1658PVなので、まず当初の目標だった2000PV(/月)は達成できそう。公開してこれだけすぐに数値が上がるのは他のクライアントを見てもあまりないことなので、このまま数値を伸ばしていけそうな手応え。新規149、既存36。デバイスもスマホユーザーが多いとみられる。

ユーザー数は、236で、順調な伸び率。今後、細かい記事の修正などを行ないつつ、HPの強化をしていければというところ。地域的にも、宇都宮を始め中央都市が多い傾向。Facebookからの誘導も多そうなので、やはりInstagramなどSNSを強化していくのは有効とみられる。閲覧されているページも会社概要やサービス内容なので、今後もっと時間が経過し多くの情報が集まれば、さらに詳しいデータ分析がHPに反映できると思われる。


オフィシャルサイトの整備

HPは大きな幹(軸)になるので、しっかり作っていきたい。まずはタイトルと紹介文が重要。検索したときに1位にこないと意味がないので、いかにトップに表示されるキーワードを入れられるか。これが前回行なった “ブランドキーワード”。紹介文もなるべく広告的ではない言い回しがよい。文字数の制限は時間とともに変化し、現時点ではタイトルが30文字、紹介文が80文字となっているので、簡潔にまとめたいところ。

検索するであろうキーワードは、タイトルにも紹介文にも必ず両方に入るようにすること。また、販売目的となるような広告っぽくならない言い回しに注意。さらにそこから第2階層(会社概要・サービス案内など)までいければベスト。そしてHPはこの第2階層までで終わりにしたい。それ以上の細かいページは不要。

何もないところから生み出していく作業なので難しいが、一度決めたら変えられないというものではないので、これからやっていくうちに「お宝キーワード」がわかってくる。それを探って切り替えてもいってもOK。ただ外してはいけないのは、絶対これ!というテーマ。

紹介文を作る上で大事なのが、例えば「ケーナ教室・レッスン・販売・制作やってます」というような事実ならOK。しかしそれを「激安」「キャンペーン実施中」などと入れてしまうと、一気に広告になってしまう。ユーザーもそれは避ける傾向がある。それらを踏まえ、HPの分析結果も参考にしながらチーム内でキーワードを入れたタイトルと紹介文を作成する。

タイトルと紹介文の作成

ケーナチーム

Renさんの場合は、やはり“ケーナ”で1位を取りたい(現状は“ケーナ王子”とかなら1位にくるかも)「ケーナと何か」など掛け合わせた言葉でもOK。まだまだケーナという楽器を知らないと思うし、楽器を手作りできるというのは大きい。身近な楽器と思ってもらいたいし、とにかくケーナを世に広めたいので、インフルエンサー的に情報を発信していってもありかも。やっていることを羅列するなら、レッスンだけでなく「竹の栽培から…」とか、人に興味を持ってもらうなら、こだわっていることを入れて「音色を追求」とかそういうキーワードもいい。


「ケーナ」でやっぱり検索で上位にきて欲しいので、そこをふまえて
タイトル「アンデスの癒しの音色・ケーナ演奏家Ren オフィシャルサイト」
紹介文は「日本を代表するケーナ奏者Ren。竹の栽培からケーナ製作・演奏・レッスンまで幅広くてがけるプロ演奏家。“ケーナ王子”がニックネーム」


チームニコニコ

これまでは自分で作ったHPだったが、まるっと作り変えたことで分析が非常にしやすくなった。やっとスタートラインに立てたかなという感じ。自分が描いているのは、「ハスキーといえば香川」と業界で言われるようになりたい。ブランドキーワードとしては「タレント犬」で検討。過去数年分の分析を見ると、検索が増えるタイミングに法則性が見えることも(何月頃に需要が上がっているとか)。イベントや長期休みの影響なのか、テレビの場合は特番の時期なのか、などが考えられる。

キーワード(テーマ)は「タレント犬」でいきたいので、まずこれをタイトルと紹介文にいれる。さらに「ハスキー」も強く打ち出していきたい。業界内でも「香川さんといえばハスキー」というイメージで認知してもらいたいので、今後もここは強く発信していきたい。

・タイトル「タレント犬をプロデュース」
・紹介文「動物のメディア出演や動物番組の監修・動物ショーのご依頼はFirst Star Productionへ。タレント犬や動物の撮影など多くの経験とアイディアを持つ当社にぜひご相談ください」

吉田アドバイス
検索をかけた人が「タレント犬」とした場合、「タレント犬プロデュースの○○(会社名)」と先頭に持ってきた方がいい。人間の心理として必ず左上から読む(Zの法則)ので、一番大事なワードを左に配置するのが有効。紹介文が“広告”になってしまっているので、「こんなことをやっているのでウチまでお任せを」ではなく、「こういうことをやってます」というのを並べるくらいでいい。例えば、タレント犬はどういうタレント犬がいるのかを羅列するほうが比較的ヒットする。

アドバイスを受けて変更
タイトル「タレント犬をプロデュースFirst Star Production」
紹介文は「タレント犬、シベリアンハスキーならお任せ。犬、猫、馬、鳥、ほか小動物などの撮影、メディア出演など、どうぞご相談ください。タレント犬で笑顔をプロデュース」


グーグルマイビジネスの活用

検索をしたときにそれが会社名だった場合、地図やいろんな情報が載る。無料で表示されるため、これを活用しない手はないので、まずこれを設定する。グーグルのアカウントを取得すると、マイビジネスに登録が可能。必要事項を入力していけばOK。新規の顧客を獲得するときに必要なのは、お店や会社の情報。スマホで検索する人が多い今の時代は、ここで必須なのは電話番号、HPのURL。ここからHPにいく人も多い。ここで広告もできるので、写真やロゴなども設定する。フル活用するならここから動画の投稿だったり、予約もできるようにもできる。また、マイビジネス上にHPも持てる。調べてみると、ここに採用ページを作ることもできる。近いところで働きたいという人が最近は多いので、HPに採用ページを作るのも有効。ギャラリーなどもあり。あとは口コミなども反映できるのでコミュニケーションを取るための大事なツールとしても有効。

以上をふまえ、まずグーグルマイビジネスにログインして設定してみよう。ただ、誰でも写真などを入れたりできるので、きちんと管理する必要はある。実際、Renさんは知らないメールアドレスが設定されていたりしたため、新しく作り直すことも検討。これも次回までに設定(開業)しておく。

特に実店舗を持って、地域密着で店舗への誘導をしたいという人には有効。BtoBで特に拠点はどこでもいいというフレキシブルな動きをする方にはそれほど重要ではないかもしれないが、電話番号やHPにリンクしていること、口コミがあることなどが重要(※MEO対策)。

検索エンジンの上位を取りたいというのは「SEO」という。それに対し、MEOは地図(MAP)。いろんな横文字が多いが、検索をしてくれたユーザーにうまくヒットさせるような施策をするのがマーケティング。

もう一つ重要なのが、SNSマーケティング。4大マス広告というと、テレビ・ラジ・新聞・雑誌。そこに5大めのインターネットが参入してきた。ネットはどう活用するかというと、メディアをうまくミックスさせながら、絶対に欠かすことのできないツール。さらにスマホでわからないことはすぐに検索するというのが当たり前になってきているので、それらに対応する土台を固めましょうというのが今やっていること。

そしてもう一つやらなければいけないのがSNS(相関図資料参照)4大SNSメディアはどの辺のものがどういう風に必要になってくるかというのが違う。Twitter、Facebook、LINE、Instagram、YouTubeこの辺を押さえておく。ただ目的によって変わってくる。個人へのリーチをするならやはりLINEで友達同録などがおすすめ。YouTubeもあり。拡散力があってスピーディなのはTwitterが圧倒的。これは外せない。これをプロモーションのツールとして使うのが非常に効果的だと思われる。Instagramは意外とマーケティングには弱い。コミュニティ形成はするが拡散力はそれほどでもない(それぞれのユーザー数は資料参照)

香川さんはInstagramを頻繁にアップしている。ただニコの写真をあげているだけとのことだが、投稿数は2万近い。写真の訴求だけでもInstagramは強いが、拡散の速さと伝達の速さはTwitterの方が文字制限もあるせいか早いと思われる。

次回の課題:AIパラダイムシフト、時代は個々へ

昔はテレビをみんなで見ていたが、最近は個々で見る時代。つまり、好きなものをチョイスできる時代。いわゆるパレートの法則というもの(8:2の法則)。売り場2割のスペースで売り上げの8割をあげているというもの。例えば本屋さんで考えると、平積みのスペースは店舗の2割だがそこで売り上げの8割をあげていて、棚の本の売り上げは2割というもの。そのほかいろんな法則がある。

一昔前のマーケティングはこの法則を利用して、経験をもとに8割の売り上げを一本釣りしていこうというもので、いわゆる展示会だったりイベントというのが主流だった。これからはロングテイルでお宝のキーワードでたくさんの誘導口を作って、そこから集客していかないとやりきれない。個々の時代なので需要が複雑化していて、この人がどんなものに興味を持っているのかがわかりにくい。AIの技術にのってレコメンドされる時代。これについては例えばAmazonがビッグデータを持っていて、あなたにおすすめなのはコレって表示される時代。自分で選んでいるようで、実は選ばれちゃう時代。

次回はビッグデータを活用して潜在的意識を持った人にどんどん進めていく。例えば一度「ケーナ」と検索した人に、Renさんのバナーが表示されるようにしたりができる。そういう広告やマーケティングができるので、それを活用。お金をかけずにそれをやる方法がSNS。

来月の課題はお宝キーワードを見つける。今日、設定したものに対していろんな人がいろんな検索をする、そのデータがどんどん溜まっていく。その中からお宝を見つけてハッシュタグにして広げていく。お金を使わずマーケティングする時代がやってきたので、お二人ならきっとそれができる!

感想

Renさん
いろいろとまた勉強させていただきました。キーワードを設定して紹介文を考えて、こんなに真剣に考えたことは初めて。言葉自体が全然湧いてこなかったんですが、それを検索する人がどんな思いを込めて検索するのかなと真剣に考えた勉強時間となりました。次回までにまた課題をどっさりいただいてちょっと気が遠くなっていますが、がんばってなんとかしがみついていきたいと思います。

香川さん
Renさんが言っていたようにキーワードや紹介文がこれだけ大切なことだということもまったく想像もつかなかったですし、ほかにもグーグルマイビジネスなどやることが見えてきたので、これからまた頑張ってやる気出して、最後は売り上げにつなげたいと思います。

まとめ

今日はキーワードの設定、それに合わせたタイトルと紹介文というのがテーマ。後半はグーグルマイジビネスの設定ということで、検索に付随して出てくる住所や電話番号、写真などの重要なところをしっかりと整理しましょうということでした。マーケティングというと意外と派手なことやったりして売り上げをあげていくのかなと思うんですが、実はこういった地味な作業の連続、積み重ねなんです。またデータを重ねて解析していくというこの連続が最終的に圧倒的なアクセスを稼ぐ一番の秘訣になっていますので、一見ちょっと派手さはないですが、今後どこかで派手なこともやっていきたいと思います。

さて次回は、「お宝キーワード」を探す旅に出かけたいと思います。今日はビッグキーワードと言って最終的に「◯◯といえば◯◯」というのを狙った設定でしたが、実はすぐに何かを探している人というにはよりリアルなキーワードで探しているわけです。この辺を私は「お宝キーワード」と呼んでいます。このキーワードを探すデータの旅に出かけたいと思います!