【14】人材育成には時間と投資が本当に必要なのか?

人材育成は「投資すれば育つ」というものではありません

「人材育成には時間と投資が必要だ」
これは経営書でもセミナーでも、必ずと言っていいほど語られる言葉です。もちろん、人を育てるには時間もお金もかかります。研修を用意し、教育環境を整え、経験を積ませる。そうした努力は、組織を強くするうえで確かに大切です。しかし、僕は長く経営を続ける中で、ある違和感を持つようになりました。それは、投資をすれば人が育つわけではないという現実です。研修を受けても変わらない人は変わりません。時間をかけても成長しない人は成長しません。どれだけ機会を与えても、責任を引き受けようとしない人もいます。つまり、人材育成は「投資すれば必ずリターンがある」という単純な話ではないのです。

人は「育てられる」のではなく「育つ」ものです

スポーツでも同じですが、コーチがどれだけ指導しても、本人が成長しようと思わなければ伸びません。会社でも同じです。上司がどれだけ時間をかけても、本人に成長する意思がなければ変化は起きません。僕はこのことに、何度も遠回りして気づきました。「もっと教えれば伸びるはず」「時間をかければ理解するはず」そう信じて投資を続けても、結果が変わらないケースがある。人材育成とは「人を育てること」ではなく「人が育つ環境を整えること」なのだと。


経営者ができるのは
・役割を明確にすること
・挑戦できる機会をつくること
・責任を任せること

ここまでです。

投資すべきなのは「人」ではなく「環境」です

人材育成の議論になると、どうしても「誰をどう育てるか」という話になりがちです。でも、会社が本当に投資すべきなのは人そのものではなく、環境です。

・成長した人が活躍できる環境
・努力が報われる環境
・責任を持つ人が評価される環境

こうした環境が整っていれば、人は自然と育ちます。逆に、どれだけ教育にお金をかけても、
頑張る人と頑張らない人が同じ扱いであれば、組織は必ず停滞します。人材育成とは、特別なプログラムではありません。日々の仕事の中で、「成長する人が得をする仕組み」をつくることです。時間と投資は確かに必要です。しかし、それ以上に大切なのは、人が育ちたくなる環境を会社が用意できているかどうか。人材育成とは、人を変えることではなく、
会社の土壌を変えることなのだと、僕は考えています。