僕はカラス

僕はカラス
黒い羽を持ち
街の空を飛ぶ鳥だ
ときどき
「不吉」だとか
「うるさい」だとか言われる
でも
僕はただ
今日も生きようとしているだけだ
僕たちは賢い
街の仕組みも人の動きも
ちゃんと見ている
ゴミの日も覚えてるし
遠くの仲間とも
声でやりとりできる
誰も見ていない場所で
僕は卵をあたためる
生まれたヒナに食べものを運ぶ
守り
戦い
あたえてゆるす
人間の目には
嫌な鳥にしか
映らないとしても
夜の空も僕と一緒で真っ黒い
でもそこに浮かぶ月を
人は美しいとおもう
僕の羽は光を受けると
ときどき青く光る
それを知っている人は少ない
僕は人の暮らしの
すきまを飛びながら
いつも空を見ている
僕はカラス
今日もまた
空を泳いでいく


