【序章】なぜ今社長がブランドにならなければいけないのか 3. 社長自身が最大の広告塔である理由
広告にはいろんな手段があります。テレビCM、雑誌、新聞、インターネット(SNS広告含む)、DM、野立て看板、タクシー広告などなど、僕の会社も広告・プロモーションを扱う事業をしているので、当然こうした手法には精通しています。
でも、どんなに戦略を練り、どんなにお金をかけて露出を増やしても「誰が言っているのか」が見えなければ、人の心には届かない。この業界で25年間1500社を超えるクライアントと向き合ってきて、この現実を何度も突きつけられました。結局、会社の価値をもっとも早く、もっとも確実に届けられるのは社長自身の言葉と行動、そして存在そのものなんです。
社長の言葉が持つ力
たとえば、社員が言う「ウチの会社はこんな想いでやってます」という言葉と、社長が語る「僕たちはこういう信念で仕事をしています」という言葉。どちらが説得力を持つかは、火を見るより明らかです。
もちろん、社員の発信も大切です。でも、それが真実として受け止められるためには、トップが先に理念や価値観を明確に言葉にし、発信していることが前提になります。それが社長の責任であり、役割です。
僕の意識を変えた「出版」と「メディア」
出版をきっかけに僕を見る周りの意識が変わりました。
自分の言葉を「本」という形にまとめたことで、周囲の見方が変わったんです。
「本を出してる社長って、考えがしっかりしてそうですね」
「吉田さんって、どんな想いで会社をやってるんですか?」
それまでは名刺交換で終わっていた相手が、僕の想いや価値観に興味を持ってくれるようになったのです。
さらにラジオを始めてからは、「声を聴いて安心感が持てた」「人柄が伝わった」と言われるようになり、YouTubeやSNSでは、顔・声・空気感まで一緒に伝わる。その結果、「商品」よりも「人」として選ばれることが増えていきました。
発信を重ねるたびに、「ただの社長」から「信頼される社長」へと、ブランドが育っていったのです。
社内にも波及する「発信」の効果
社長が前に出ることで、社外だけでなく社内の雰囲気も変わりました。理念や方針を発信すると、スタッフが迷わなくなった。「うちの社長はこういう考えで動いている」という共通認識が、行動の基準となり、チームとしての一体感を生むようになったのです。
もちろん発信にはリスクもあります。誤解や批判、「ワンマンだ」と思われることもある。それでも続けてきた理由は、社外以上に社内に効くからです。
SNSで想いや失敗談を話したとき、「社長がそんなこと考えてたなんて知りませんでした」と驚くスタッフもいました。発信は、社内で共有される財産にもなるんです。
「相性の整流効果」
さらに、僕と価値観が合わないスタッフは自然と会社を離れ、今残っているのは僕の空気感や考え方に共感する人ばかり。スキルだけ見れば昔のほうが高かったかもしれない。でも今のほうが、お客様もスタッフも、確実に幸せな関係を築けていると感じます。相性こそが仕事の質と満足度を決める。これは机上のスキルや効率では測れないのです。
会議も研修もやめた理由
昔は「会議」や「研修」が大事だと思っていました。でも、やればやるほど温度差が広がる感覚があった。発言する人と、ただ聞いている人。内容よりも「誰が言ってるか」ばかりが重視される空気。
そこで、思い切って全部やめました。代わりに、YouTube、ラジオ、SNS、出版など、社外に向けた発信に一本化。スタッフはそれを自然に見て、理念や考え方を知る。
「命令」ではなく「気づき」として伝わるようになりました。
強制ではなく共感
指示ではなく対話
理念を押し付けるのではなく、社長の「立っている場所」を見せる。そのほうがスタッフ自身が主体的に選択できるんです。
今、うちの会社には会議も研修もありません。それでも会社は前進し続け、むしろ一体感は増しています。
社長は最大の「文化発信者」
社長が語る言葉は、組織を動かす命令ではなく、「指針」であるべき。
社長こそが
最大の広告塔であり、
最大の文化発信者であり、
最大の在り方の見本である。
この章で僕が伝えたかったのは、まさにそのことです。


