僕は雨

僕は雨
僕がみんなに挨拶するたびに
みんな顔をしかめる

傘をさすのがめんどうだって
髪がぬれるのがいやだって
予定がくるうって怒られる

晴れた日は
お日さまがちやほやされて
青い空はみんなの味方

ああ 晴れってずるいな
空に浮かぶ雲も
ふんわりとあこがれの的

僕は雨
どうして僕は雨なんだろう
風くんとか光さんに生まれたかった

でも
ある日 小さな芽が
そっと顔を出していた

僕が降ったあとの土から
にょきっと伸びたその芽は
太陽にむかって 笑っていた

田んぼの苗も
森の木も
お花畑も

みんな 僕を待っていた

僕は雨
みんなをぬらしてしまってもいい
だって僕がいなければ
命は うまれないから

今日も空から
しずかに降りていく