【04】「まず理念を掲げよ」

経営の本やセミナーでは、必ずと言っていいほど「理念が大事」「まず理念を掲げよ」と言われます。確かに理念は会社の旗印であり、組織の価値観を示すものです。しかし、ここにも一つの落とし穴があります。

常識(よく言われること)

「理念がなければ社員はついてこない」
「理念なき経営は彷徨う船のようなものだ」
「まず理念を掲げ、その理念に共感する人材を集めよ」

疑問(ほんとうにそうか?)

でも考えてみてください。創業当初、理念なんてきれいに言葉にできなくても、とにかく生活のために働き始めた人も多いはずです。「社員を食わせるために必死だった」「借金を返すために仕事を取った」そこに理念なんて高尚なものはなかった。にもかかわらず、会社が伸びていった例はいくらでもあります。

僕の体験談

僕が独立したときもそうでした。
理念なんて掲げる余裕は一切なかった。

「来月の家賃が払えるか」
「社員に給料を渡せるか」
それだけで頭がいっぱいでした。

朝から晩まで働き、営業に出て、広告を考え、失敗しては借金を増やす。そんな毎日の中で、理念を考えるなんて夢のまた夢でした。

ところが、ある時ふと気づいたのです。「お客様にとって、ちゃんと成果が出る広告を作るために、僕は必死でやってきたんだな」と。

華やかな言葉じゃなくても、ずっと行動してきたことの中に僕の理念が眠っていたのです。

この経験から、僕は思いました。
理念は最初に掲げるものではなく、積み重ねの中で見えてくるものだと。

理念とは宣言ではなく積み上げの結果として定義されるもの

机上で立派な言葉を作っても、行動や実績が伴わなければただの飾りにすぎません。
むしろ、走りながら必死に事業を続けてきた過程で、自然と「自分たちは何を大切にしてきたか」が浮かび上がる。それを整理して言葉にしたものが理念であれば良い。

経営の初期段階では「理念を掲げる」ことよりも「理念が生まれるような行動を積み重ねる」ことの方がよほど大事です。

理念とは宣言ではなく、積み上げの結果として定義されるもの。

だから僕は「まず理念を掲げよ」という常識を鵜呑みにせず「まずは動け」「理念はあとで振り返って掲げろ」と言いたい。

まとめ

理念は掲げることより、体現することが大切です。
あなたの理念は「言葉」で存在していますか?
それとも「行動」で存在していますか?