優しくすれば潰れ、厳しくすれば嫌われる

特性や個性はいくらでも語れます
けれど会社は理想論だけでは回りません

経営者として21年
僕はずっと優しさと数字の間で揺れ続けています

働きやすさを優先すれば空気は柔らかくなる
でも数字が落ちる

生産性を優先すれば数字は安定する
でも「冷たい」と言われる

優しくすれば潰れ、厳しくすれば嫌われる
その繰り返しです

現場では「輪を乱す」という便利な言葉が使われます
「みんな」という正義の顔をして、ひとりを外に置くことができる

そして「話し合いましょう」と言いながら実際は多数決の確認だったりする
笑顔や理性の奥にあるのは悪意ではなく保身
自分の評価や居心地を守るために「普通は」「常識は」「みんなは」と言い換えるのです

理想を掲げるのは簡単です
「全員が活躍できる場をつくる」と

でも現実は
誰かを守れば誰かが不満を持ち
数字を取れば空気が荒れ
空気を守れば数字が落ちる

経営とはどちらを選んでも痛みが伴う世界です
それでも僕は思考停止の経営だけはしたくない

「輪を乱すから外れてもらう」という線引きに逃げれば
会社は少し楽になるかもしれない
でも自分の中の何かが腐る気がする

だから今日も葛藤しています
優しさと数字の間で
笑顔と本音の間で
他人の黒さを見ながら自分の黒さとも向き合いながら

経営はきれいごとではありません
きれいごとを完全に捨てた瞬間それはただの金儲けになる

21年経っても僕はまだ上手に歩けていません
立てないまま進んでいる感覚です