第二章:自立の時代 ― 選択と責任の重さを引き受ける【4】著者体験談 ― 独立起業・責任を負う怖さと力強さ
【4】著者体験談 ― 独立起業・責任を負う怖さと力強さ
守られる場所から飛び出す決意
僕が初めて「責任」という言葉の重さを真正面から受け止めたのは、22歳のときでした。それまでは学生として、あるいは会社員として、誰かが敷いてくれたレールの上を歩くだけで済んでいました。
先生が進路を示してくれる。会社にいれば給料が出る。上司の言う通りにしていれば、評価も守られる。もちろん不満はありましたが、「まぁ仕方ない」と自分を納得させて生きていました。
そんな僕が、勢いで小さなスキーショップを開いたのです。「好きなことを仕事にすれば楽しく稼げる」と信じていました。守られる場所から飛び出すという選択をした瞬間、僕の人生は大きく変わりました。
借金地獄と責任の直撃
しかし現実は甘くありませんでした。経営の知識などゼロ。仕入れも資金繰りも集客も、どれもまともにできません。やがて売上は伸び悩み、気づけば借金は1000万円を超えていました。
守ってくれる先生も会社もいません。取引先への支払いも、アルバイトへの給料も、すべて僕の肩にのしかかりました。朝起きても「今日は誰に怒られるのか」「どこにお金を借りに行くのか」そんな不安で胃が痛む毎日。初めて「選んだ責任の重さ」が自分を直撃しました。
心の中では何度も「不景気だから仕方ない」「田舎だからチャンスがない」と言い訳を繰り返しましたが、現実は変わりません。誰のせいにもできない状況に追い込まれて初めて、「責任からは逃げられない」という事実を思い知らされたのです。
責任を背負うことで得た自由
廃業し、借金を抱えたまま家業の大工を手伝いながら必死に働く日々。体力の限界まで働いても借金はなかなか減らず、心が折れそうになりました。けれど、ある日ふと気づいたのです。「どんなに苦しくても、選んだのは自分だ」ということに。
依存していた頃は、誰かに守られる代わりに自由も失っていました。しかし、自分の選択の責任をすべて背負ったとき、不思議なことに逆に自由を感じたのです。成果が出れば自分の手柄。失敗してもそれを経験として次に活かせる。誰の顔色もうかがう必要がない。「自分で決めたから、自分で引き受ける」。
その覚悟が、自分を強くし、次の挑戦へと進ませてくれました。責任を背負うことは怖い。でもその怖さの先には、守られていたときには見えなかった力強さと、何より「自分の人生を生きている」という実感が待っているのです。

