「夢」をあきらめない人を紹介します。

私はF1の佐藤琢磨さんの大ファンです。
私と同じように琢磨さんの大ファンの一人である
岡本英之くんが本日残念ながら永眠してしまいました。

英之くんはパイオロジック アストロサイトーマ(脳腫瘍の一種)という難病と闘いながら、F1レーサーになりたいという夢に向かって、毎日を力いっぱい生きた11才の男の子です。

健康に生活している私達の中で「夢」も無く生きている人に
是非読んでいただきたく思い、紹介させていただきたいと思います。

F1レーサーになる夢、ぜったいに あきらめない

僕の夢はF-1レーサーになること!そして、いつか『ワールドチャンピオン』になったら、パパとママに僕の大好きなフェラーリを買ってあげるんだよ。

 パパとママ喜ぶかな?ママは僕と一緒に”シャンパンファイト”をやりたいんだって。

 僕、F-1レーサーになりたくて、どんなお勉強したらF-1レーサーになれるのか知りたかった。だから、F-1レーサーにあって『どんなお勉強とトレーニングしたの?』って聞きたかったんだ。

 そうしたら病院にいるとき、ママが『ヒデユキ... ヒデユキが一番したいことって何? もしかしたらヒデユキのやりたいことの夢を叶えてくれる人が来るかもしれないよ』って教えてくれた。

『僕ね、F-1レーサーに会って、どんなトレーニングや、お勉強をしてF-1レーサーになったのか、会って聞きたい!』って答えたんだ。

 パパは、何時もF-1の本を読んで、タイヤの種類や車のこと教えてくれるんだ。サーキットの走り方も教えてくれる、だから僕、サーキットの絵も、F-1のマシンの絵も描けるよ。

 パパが、”日本人でF-1レーサーがいる”って教えてくれた。名前は佐藤琢磨選手。“Mr.Takuma”って呼ぶことにした。 Mr.Takumaはパパとママと同じ “アイルトン・セナ”が大好きだったって..。

 セナって、今はもういないけど、ビデオで見たことがある...とっても速いレーサーだったってパパも言ってた。

 僕、セナのことを好きなMr.Takumaに会いたくなって、ママにお願いしたら、ある日、お多福のお面をかぶった2人のおばさんが僕のお家に来て『ヒデ君の夢ってなあに?』って言った。“Make a Wish”の人だった。

 『F-1レーサーのMr.Takumaに会って、どうやってF-1レーサーになったのか聞きたい』って言ったら『夢が叶うかもしれないよ!』っていってくれた。

 『クリスマスじゃないから... Mr.Takumaはおもちゃじゃないから、サンタさんも連れてこれないよ』ってママに言ったんだけど、『夢が叶うといいね。ヒデユキ夢が叶いますようにってお祈りしてみたら。』ってママは言ってた。

 僕がUCSFのドクターに会いに米国にいるとき、おばさんからプレゼントが届いたんだ。FamilyHouseのマネージャーが急いで持ってきてくれた...その日はクリスマス・イブだった。

“Mr.TakumaがジャパンGPでかぶった帽子とMr.TakumaのF-3時代のビデオ”だった..。そしてクリスマスカードには”Mr.Takumatoと会えるようになるよ!”って書いてあった。おばさんたちサンタさんに会いに行ったんだよ、きっと。

 Mr.TakumaはF-1レーサーになるために自転車で足を鍛えたんだって、いっぱいトレーニングしてた。メカニックとお話ししなきゃいけないから、英語も一生懸命お勉強したって。僕もその日から、体を鍛えるトレーニングをすることにしたんだ。

 “スペインのバレンシアサーキットでMr.TakumaがF-1のテストをしてる...会いに行けることになったよ”っておばさんからの電話があった。病院の先生も知ってたんだ、そして『行っても大丈夫だよ』って..言ってくれた。

 いくつも飛行機に乗って、Mr.Takumaがいるバレンシアへ行った。松本さんっていう優しいマネージャがホテルへ車で向かいに来てくれて、連れて行ってくれた。

 眠くなって車で寝ちゃったんだけど、気が付いたらテレビやビデオで聞いたものと違う、ものすごく大きいエンジンみたいな音がした。

『もしかして、サーキット? バレンシアサーキットだ!』

 僕、嬉しくなってね、ウサギさんみたいにピョンピョン跳ねながら入っていったんだ。スタンドみたいな所に入っていったら、F-1の車の音が耳にガンガン入ってきた。ちょっとうるさいけど、とってもいい音だった。僕がいつもミニカーで遊んでいるとき、言っている音、だけど本物の音だった。僕のいるスタンドの前を”ヒューン...ヒューン”って何度も何度も走っていった。

 ママが『Mr.Takumaが、今走っているんだって。』って教えてくれた。 

 僕ね、『がんばれー、がんばれー!』って叫んだんだよ。

 そしてね、『格好いいなあ、格好良かったよ!』ってマシンから降りてきたMr.Takumaに言ったら、大きな声で『ありがとう!』って返事してくれた。ママが“手を振ってくれているよ”って教えてくれた。

『良く来てくれたね、大丈夫? 初めまして、佐藤琢磨です。ヒデ君・ケンちゃん、お兄ちゃんとお昼ご飯を一緒に食べようよ』って一緒にパドックでご飯を食べながらお話ししたの。いっぱいお話ししたんだ。

 ながーいトラックがいっぱい並んでいて、お部屋になっているトラックがあったりした、そこでミーティングもするんだって。

『どんなお話をしていたかは、僕とMr.Takumatoとケンの3人の秘密!でも、F-1のこといっぱい教えてくれた。』

 ピットに入ってF-1マシンに乗せてくれた。ほそーいベットみたいでね、ステアリングにはボタンがいっぱい、いっぱいあった。
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 すごいよ、僕、ステアリングもさわっちゃった。

 メカニックの人もね、いっぱいいたんだ。みんな優しくて、『Hello!Nice to meet you.』ってにこって笑ってくれて、手を振ってくれた。僕、いろんな物が近くで見えたんだ。もう一人のマネジャーも僕の話を聞いてくれた。いっぱい聞いてくれた。

 僕が行った日は、Mr.Takumaのお誕生日だった。僕ね、内緒でプレゼントを用意したんだよ、僕がよく見える赤い色のTシャツとF-1マシンの絵を描いたバースデーカード。ケンは僕がよく見える青い色Tシャツをプレゼントしたんだ。ビックリさせたいから内緒で持って行って、みんなでバースデー・パーティーをしたんだ、バースデーの歌をみんなで歌ったよ。僕の声が一番大きかったかな!

 Mr.Takumaはすごく喜んでくれて、バースデーカードは、今も自分のお部屋に飾ってくれてるんだって。

 Mr.Takumagaがサーキットにいる間の2日間、両日とも連れて行ってもらった。僕の頭の中には、”本物のF-1マシンの音”がいっぱい、いーっぱい入ってる。

 『大きくなったら、F-1レーサーになりたい!』

 パパもママも、ヒデユキがなりたい!ってずっと思ってると必ずなれるよって言ってた。

 Mr.Takumaは『ヒデ君がF-1レーサーになるまで、お兄ちゃんも頑張るからね。だから、ヒデ君も絶対あきらめないで、どんなことがあってもあきらめちゃダメだよ。約束だよ。』っていってくれた。これが男同士の約束なんだよね。

 Mr.Takumaは『僕の親友』になってくれたんだ。

 いつか、僕もF-1レーサーになる。これが僕の夢。ケンと二人でレーサーになるんだ。頑張ればなれるって教えてもらった。

 そして、チームの人たちやMr.Takumaのマネージャーたち...、夢を叶えてくれたおばさんたち...、病院の先生や看護婦さん...、スクールのお友達..、.ジイジやバアバ、パパとママみんなを呼んで、サーキットのパドックで、僕がMr.Takumaと一緒に食べた”おいしいごちそう”を食べさせてあげるんだよ。

 そのときはMr.Takumaは僕のチームの監督になってくれると思う。

 僕が大きくなって、F-1レーサーになったとき、もし僕みたいに病気を持った小さい子供が、”僕に会いたい”っていったら会ってあげるんだ。いっぱい来ても、みんなに会ってあげるんだ。

 そして、その子供たちに言ってあげるんだ『どんなことも、あきらめちゃいけない』って。

 Mr.Takumaが僕に言ってくれたみたいにね.....。

▼こちらのサイトより転載させていただきました。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hideyuki/index.html

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